消防士の仕事を少し詳しく解説!救急隊編

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消防士の仕事、今回は救急隊についてお伝えします。

私は元消防士で25年間勤務してきました。

消防の仕事は主に大きく消防隊、救助隊、救急隊と別れていますが、私はその3部隊を経験してきました。

ここでは救急隊の仕事内容少し詳しく、救急隊員として私が経験してきたこと、そして当時の心境を解説します。

 

消防士が行う救急隊員の詳しい仕事内容とは

私は20年以上消防隊や救助隊を経験したのちに救急隊になりました。

私は救命士ではありませんでしたが、救急隊になって驚いたことが消防隊、救助隊の仕事内容との共通点が少ない、全く違う職種に就職したような気分になったことです。

ここでは救急隊の仕事内容を私の経験を踏まえた中でお伝えしたいと思います。

 

救急隊員=消防士

おかしな表現だと思われるかもしれませんが救急隊員は消防士です。

私が若い頃は消防隊から救急隊になり救急隊員を数年経験してから救急救命士(以下救命士)の試験を受けて救命士になるという流れが普通でした。

しかし最近は救命士を養成する専門学校や学部が増えてきていることもあり、救急隊員を目指して救命士の資格を学校で取得し消防職員になるケースが増えています。

あくまでも消防士として採用されているので、新人教育時には火を消す訓練やロープを登ったり渡ったりする訓練を必ずさせられます。

なので体力に自信がない人はそういった部分はキツく感じるかもしれません。

これからは救命士の資格を持った救助隊員もこれから増えていくのかもしれません。

 

圧倒的な出動件数

私が所属していた消防本部は年間1万件以上の救急件数がありました。

深夜早朝、天候の良し悪しにかかわらず、重症軽傷にかかわらず出動します。

救命が必要な緊張感のある事案から、酔っ払いや仮病、入院セットを持って歩いてくる通報者もいます。

一人暮らしの年配の方が寂しくて何回も呼ぶという事案もありました。

深夜に出動した場合は深夜手当が付くので、深夜での出動件数が多い救急隊の平均給与は他の部隊より多いです。

 

消防士が行う救急隊員の詳しい仕事内容とは?

救急隊は火災で火を消すことはありません。

救助現場の第一線で救助を行うわけではありません。

火災で負傷した人や救助された人の応急手当や搬送することがメインの仕事となります。ロールプレーイングゲームでは僧侶的な位置づけでしょうか。

救急出動は命にかかわる事案から、こんな事で救急車を呼ぶなと思えるような事案まで様々です。

そして消防隊や救助隊よりも人と接する機会が多いです。

その中には複雑な人間模様もあったりします。なので救急隊の現場慣れ感は相当でした。

ここでは救急隊の仕事内容をお伝えします。

 

救急隊の仕事内容は搬送がメイン?

私が幼い頃、ウ~という大きなサイレンの音が聞こえ、怖くなり父親に抱きついたことがありました。今考えるとこれは救急車のサイレンだったのですね。

救急車のサイレンはピーポーですが、昔ウ~だったのです。これが私が記憶する一番古い救急車の記憶です。

数年後(1970年代後半)私は弟をおんぶしたままガラス戸に向かって転倒しガラスが割れ、弟の右膝あたりがガラスにより大きな切創を負わせてしまいました。

そして救急車により近くの外科医院に運ばれたのですが、当時の救急隊の業務と現在の救急隊の業務とでは内容に大きな違いがあります。

それは救命士の存在です。

それによりより高度な救命処置が認められるようになりました。

この救命処置こそが、消防隊や救助隊しか知らなかった私が、他の職業になったと感じるくらい専門性が高いのです。

なので現在の救急は、搬送<救命 と言えるでしょう。

 

救命士ではない救急隊にできる処置

救急隊員ができる処置というものは法律により決められています。ここでは一般の救急隊員ができる処置を簡単にまとめてみます。

  • 傷に対しての被覆・固定・止血
  • AEDの使用
  • 聴診器の使用
  • 血圧計の使用
  • パルスオキシメーターの使用
  • 吸引器の使用
  • 心電図の使用
  • 喉に詰まった異物を器具により喉の奥を広げて除去する行為
  • 鼻の奥にチューブを差し込んで気道を確保する行為

簡単にまとめるとこんな感じで、救急隊にできること行為は少ないことがわかります。

つまりこの時点では医療行為ができないのです。

 

救命士ができる処置

国家資格を持った救命士(1992年から運用開始)を持った人物ができる行為です。一般の救急隊員から医療行為に踏み込んだ処置が増えます。

  • 喉の奥にチューブを入れて気道を確保する
  • 点滴の針を刺す行為
  • 点滴から止まった心臓を動きやすくする薬を体内に入れる

文字にするとこれだけと感じてしまいますが、これができるまでに相当な知識を身に付けなければならないし、決して安全な場所で処置ができるとは限らない救急現場でこの行為を行うことの難しさを想像して欲しいです。

 

現場はキレイではない

現場は血液や体液、嘔吐物(吐いた物)や排泄物など体液に触れる機会が多いです。

それらは感染物として扱われるので肌で触れてはいけません。

それでも服に着いてしまう、踏んでしまうということはよくありました。

 

病院からのプレッシャーが凄い

現在の救急隊に求められることは、より高い救命率です。

例えば、腹部や胸部などを強く打った場合は症状を見逃すと命にかかわります。

その隠れた原因を見逃すと病院から大目玉を食らいます。

ただ胸を打って痛いからと言って、胸だけを診るのではなく、その原因から他の部分も損傷している可能性を考えなければいけないのです。

その観察眼が今の救急隊に重要なのです。

病院と各消防本部が連携して救命士の教育体制が作られていて、常に監視されているような感覚です。

私の地元の救命士教育の中枢ともいえる大病院に傷病者を搬送すると、救急医からの超厳しい質問に的確に答えなくてはいけません。答えられなければ当然怒られます。

救命士は現場でも凄いプレッシャーがかかり、搬送先でもプレッシャーがかかるのです。

 

救命士の技術

救命処置の最も大切ともいえる行為は呼吸の管理です。

呼吸が止まっている時や呼吸が止まりそうな時には気管内挿管(きかんないそうかん)といって喉の奥に管を入れて空気の通り道を確保します。

人間は意識を失うと喉の筋肉が緩み気道を塞いでしまい、気道を確保しないと窒息してしまうのです。

もしかしたら気管内挿管の技術は医師よりも救命士の方が高いかもしれません。なぜならば、救命士は揺れる救急車の中だったり、とても不安定な場所や狭い場所等で挿管を行う必要があるからです。

挿管は特殊な道具を使い喉の入り口を開き管を挿入します。

その入り口を見つけて、開けたままにすることが難しく、変な器具の使い方をすると歯が折れてしまうのです。

 

やるせない現場

救急隊はしばしばやるせない気持ちになる現場に遭遇します。

それは自らの命を絶った人の現場と若い人の現場です。

昨日まで元気だったのに翌朝亡くなっていたという現場や刃物を使っての現場などもありました。

私は遭遇したことはありませんでしたが、救命が必要な小さな子供の現場は精神的にかなりキツイそうです。

普通の人が普段かかわることが無い現場に救急隊は必ず遭遇することになります。

 

まとめ

消防士だった私が救急隊で経験した仕事や感じたことを解説させていただきました。

救急隊の仕事は最終的には私の消防人生に終止符を打つことになってしまいましたが、あらためて振り返ってみると消防士の仕事はとてもとても誇り高いのだなと感じました。

その誇り高い仕事についていた私が自分自身に誇りを持つことができなかったというわけです。

今回このような内容でブログを残した理由は、これから人生、私の中で消防の記憶が必要なくなっていきます。

それが少し寂しくなるなと感じこのような形で私が生きた証を残したかったからです。

消防士の仕事で救急隊はこうなんだと少しでも思っていただけたら幸いです。

以上、消防士の仕事、救急隊の解説でした。ありがとうございました。

 

 

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