消防士の仕事内容を少し詳しく解説!消防隊編

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消防士の仕事に憧れる若人は男性だけでなく女性も多くなってきましたね。

消防士の仕事と言えば火消をイメージする人が多いと思います。

もしくはレスキュー隊か救急隊をイメージする人も多いと思います。

実は消防士の仕事はその3種類だけではありません。

今回は消防隊の仕事を紹介いたします。消防隊の仕事は大きく分けて5項目に分類できます。

火災出動(消火活動)、救急支援出動、警戒出動、火災予防業務、その他、

消防の仕事の中で、消防隊が最も広範囲な業務を行っています。

救助隊や救急隊と比べて専門性は高くはありませんが、それらを理解していないと消防隊の仕事はできないのです。

消防士の仕事は、消防本部や消防局により存在する部隊が変わってきます。

私が所属していたところが基本になりますが、多少は参考になると思いますよ。

消防職員を目指す人、消防士の仕事に興味がある人、私の経験から消防隊の仕事内容を少し詳しくそしてわかりやすく解説します。

 

消防士が行う消防隊火災活動の詳しい仕事内容とは?

消防士の仕事と言えば、私は未だに消防隊をイメージします。

皆さんも火災の時に放水する役割のイメージが強いのではないでしょうか。

しかし消防隊の仕事はこれだけではありません。

体を動かすことだけでなく、事務的な仕事も意外と多いのです。

ここから私が経験してきた内容をお伝えします。

 

消防隊は火災活動で水はどうやってもらうの?

火災が発生した時は水をかけて消火することがほとんどです。

それでは、その消火するための水はどこから取っているの?

という疑問は出てきませんか?

一番多い方法は、道路上にある黄色いマンホール(消火栓しょうかせん)を使用します。

消火栓は私たちが普段使用している水道水と同じ水道管とつながっています。

つまり火事を消す水は水道水なのです。

その他にはあらかじめ40トンくらいの水をためている防火水槽(ぼうかすいそう)や

海や川といった自然から取る場合もあります。

水を積んでいる消防車もありますが、多分2分程度で空になります。

 

消防隊火災活動での放水

放水する方法は棒状での放水や噴霧状での放水があります。

ノズルの先端を操作することにより切り替えることができます。

棒状は比較的遠くに放水する場合や落下危険があるがれきなどを落とすときに使用します。

噴霧は自分の近くに盾のように水が広がり煙や炎から自分を守るときに使用します。

 

消防隊火災活動時の装備

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この写真は私です。抱いている子供は私の娘です。

注目していただきたいのが、私が身に着けている空気呼吸器です。

見えてはいませんが、背中にはボンベを背負っています。

これを着けていなければ火災が発生している建物の中には煙や有毒ガスで進入することができません。

よく酸素呼吸器という名前を聞きますが酸素ではありません。

ボンベ内には酸素ではなく、普段私たちが呼吸している空気が入っています。

残りの残圧が少なくなると警報が鳴る構造になっています。

疲れていない時は30~40分くらい使用できたと思います。

真夏で気温が30℃以上、写真のようなフル装備での訓練時に私は警報が鳴るまで15分持たなかった記憶があります。

酸素呼吸器というものはまた別に存在していますので、いつか酸素呼吸器についても説明できたらと思います。

 

消防士が行う消防隊救急支援の詳しい仕事内容とは?

最近は救急車と消防車が一緒にサイレンを鳴らして出動することが多くなってきました。

これを救急支援出動、略してPA連携(ピーエーれんけい)と言います。

全国的に2007年頃から始まっています。

Pは消防車(Pumpポンプ)の頭文字のPから、Aは救急車(Ambulanceアンビュランス)の頭文字のAから取っています。

救急隊の人員(3人)だけでは対応が困難であると判断された場合同時に消防隊にも出動指令がかかります。

 

命の危険がある場合の支援

私が所属していた所は年間で1万件以上の救急出動があります。

  1. 軽度な案件
  2. 迅速に搬送する必要はあるが命には危険が無い状態
  3. 既に心臓が止まっている案件
  4. すぐにでも心臓が止まる危険がある案件

などがあり、3と4は無条件でPA連携の対象となります。

命の危険がある傷病者には救急隊の3人では負担が大きいので、救急隊が傷病者に集中できるよう、

事情聴取や救急隊の補助を行います。

また、消防隊が救急隊よりも先に現場に到着してしまう場合があり、AED(自動体外式除細動器)を用いての救命処置を行う事もあります。

 

搬送補助が必要な場合の支援

その名の通り搬送の手助けです。

古い建物には5階建てでエレベーターも無く階段も狭いという場所が存在します。

そのような建物で、100㎏級の人を3人で搬送するとしたらどう思いますか?

出来なくはありませんが、このような事案で救急隊の負担を減らすために消防隊を増隊させるという事はよくあります。

また、海岸での救急事案でも、搬送距離が長くなるので増隊の対象となります。

 

救急隊の安全を確保するための支援

消防の活動は自分たちの安全を確保してから行う事が鉄則です。

例えば、車が猛スピードで走る幹線道路の真ん中でたった3人で活動するのは危険ですよね。

そのような場合も安全なスペースをできるだけ確保するため消防隊を増隊します。

過去に比較的混んでいる時間帯の駅の構内で男性が電車と接触事故がありました。

文字で表すことができないほど悲惨な状況でした。

そのような状況で気になるのは野次馬の存在です。

現場をシートで目隠ししながら搬送する行為も隊員と一般市民の安全につながるのかもしれません。

 

消防士が行う消防隊警戒出動の詳しい仕事内容とは

災害なのか、それとも災害ではないのか判断が付きにくい時は、様子を見るために警戒出動として出動指令がかかります。

例えば、

火災報知機が鳴っているが、煙や炎は見えない。

交通事故でガソリンが漏れている。

電柱から火花が出ている。

よくわからないが異臭がする。

煙が見える。等々

そのような時は警戒出動として

最寄りの消防隊を1部隊出動させます。

 

火災報知器鳴動

警戒出動で多い事案が、

火災報知機の鳴動です。

報知器は意外と誤報が多いです。

検知器が古くなると湿度が高い時に鳴ったりします。

警報機が鳴っていて火災だった結果はほとんどありませんが、

万が一ということもあり得ます。

音が止まらない警報機の音を止めて、反応している場所を確認することも消防隊の仕事です。

 

ガソリン(オイル)漏れ

交通事故等でガソリンやオイルが漏れている場合、火災の危険や滑ることにより別の事故が発生する可能性があります。

それらを防ぐ作業を行うのも消防隊です。

私が印象に残っている事案として交通事故ではありませんが道路の端にある側溝に灯油か何かしらの燃料が流れ込んでしまったことがあります。

近くに川があり、環境保全の法律上、燃料系は決して川に流してはいけないらしく、

環境に関係している市役所の職員の方がかなりナーバスになっていたことを思い出しました。

 

電柱から火花

電柱も劣化すると火花が出ることがあります。

私がいた消防本部は海沿いでしたので電柱が劣化しやすく、塩害(えんがい)と呼んでいました。

しかし、火花により電柱に炎があがってしまったり、他の建物が燃えてしまったりした場合は消火作業を行いますが、電柱の火花だけであれば電力会社待ちです。

私自身塩害からの火災は経験したことはありません。

 

異臭がする

人間の五感に直接訴える異臭は、大きな災害の可能性があります。

一番多い事例はやはり煙の臭いがするという通報による出動です。

大半はたき火で、到着したらすでに消されていたという事が多かったです。

都市部でたき火をすると、それを嫌がる近所の人が直接言いたくないため消防を呼ぶパターンが非常に多いです。

実は消防にはたき火を無理やり消すという権限は持っていません。

たき火により周囲に燃え移る可能性があると判断されたときは火災として扱い、消すことはできますが、たき火の注意に向かうときはあくまでも消してくれませんかとお願いする立場なのです。

なのでたき火の注意はトラブルに発展しやすい事案でした。

煙以外では、ガスの匂いがするという事で出動しましたが、結果、ガスではなくニンニクの漬物を庭に捨てていたものが匂っていたという事がありました。

異臭と言えば、最近はほとんど聞きませんが硫化水素があります。

いわゆる硫黄の臭いというものですが、硫化水素は消防隊1部隊だけでの対応ではなく特殊災害として専用の設備を使用し、かなり大規模な活動となります。

 

消防士が行う火災予防の詳しい仕事内容とは?】

消防の仕事は火を消すことや人を助けることだけではありません。

火災予防、つまり火災を出させないように指導するということも重要な仕事です。

それでは予防とはどのようなことをするのかお伝えします。

 

防火対象物とは

きわめて当たり前の事ですが私たちの周りには様々な建物があります。

その中で多くの人が出入りする建物には火災を起こしにくくする設備や火災が発生したときに消火を補助する消防用設備なるものが存在し、一軒家以外の多くが防火対象物であり消防用設備が必要です。

身近なものでは消火器や学校にあるカラータイマーがついている装置(屋内消火栓)などが該当します。

次からの説明で防火対象物という言葉が必要ですので、覚えておいてください。

 

立入検査1

予防業務=立入検査

といっても過言ではありません。

私が所属していた消防本部は特に立入検査に力を入れていました。

当直している実働部隊(実際に災害活動を行う部隊)だけでは無く日勤の予防課という立入検査専門の部署があるのですが人数は5~6人程度です。

その人数で担当地域すべての防火対象物を検査することは不可能です。

そのような経緯から人数がいて機動力がある当直の人員も立入検査を行うようになったのです。

 

立入検査2

立入検査とは防火対象物に設置されている消防用設備が、適切な状態で使用できるか、定期的な点検を実施しているかを確認する行為で、消防隊の仕事の一つです。

消防用設備の定期的な点検は法律で定められていて、消防署に報告する義務があります。

この報告がされていない場合立入検査の対象となるのです。

消防隊は予防業務ばかりに力を入れるわけにはいかないので、比較的小規模な建物(アパートや小規模の店舗)を担当していました。

しかし、法律で定められているとはいえ、違反しても罰則を適用することはかなり難しいし、過去にそこまで言った案件はありません。

基本、指導という名のお願いなのです。

大半は指導の段階で改善してくれましたが、あまりにもひどいと警察と協力して刑事罰になる可能性があります。

消防は消防用設備の点検は行いませんのでご理解ください。

 

立入検査3

防火対象物となる建物を建てたり、建物の中にお店を開店した場合、その建物やお店の安全を確保する義務が発生します。

その最低限の行動が消防用設備の設置と管理です。

大規模な企業は信用を落とさないように必ずと言っていいほど報告してきます。

しかし、小規模な企業や個人経営のお店、複数のお店が入っているビルのオーナーさんなどは面倒臭がって点検や報告をしてこない場合があります。

ゴネられる場合もあります。

そのような人達との交渉が立入検査では一番大変なのです。

 

消防隊の仕事内容 【その他】

上の写真は私が消防の競技大会で上位入賞のために訓練をしていた時のものです。

当時37歳、消防士はトップアスリート並み、またはそれに近い身体能力をほとんどの隊員が有しています。

私は高校生の時にラグビー部で少し鍛えていたので身体能力には少し自信があったのですが、消防士になったばかりの時に、先輩が強すぎて心が折れかけました。

しかし、この人たちに負けたくないという気持ちを無くさずにトレーニングを続けた結果40歳を過ぎても競技大会に出られる体になりました。

話題から外れてしまいましたが、消防士の仕事内容は他にもまだありますので、お伝えしたいと思います。

 

はしご車

ご存じ高い場所での救助や作業をするための車両です。

消防の車両で特に人気があります。

私ははしご車の操作員を15年以上担当していました。

はしご車に座っているのが私で、前にいる2人の子供たちは私の娘です。

この写真は消防と市民の皆様が触れ合うフェスティバルの時に妻が撮ってくれたものです。

はしご車の配備数は国から整備指針が定められていて、市内にある高層建物の数により決まってきます。

日本にあるはしご車の高さは短い物で16m、長いと55mの車両もあります。

私が担当していた車両は16m、25m、35mで階数にしてそれぞれ5階、8階、11階の高さまで伸ばすことができます。

正直、人を助けるときに使用した事例は多くはありません。

私の記憶では火災で人を救出した事案が1件あっただけです。

それでも1件使用、一人だけの救出だったとしても、はしご車の存在価値があると言われています。

 

特殊災害

この写真は駅構内で化学物質テロが起こった事を想定された訓練です。

着ている防護服が違うのは、階段を境にして役割が分かれているからです。

危険度が高い場所に近づくほど防護能力が高い服を着用し、離れるほど動きやすい防護服になっていきます。

この服を着用するときはオレンジの方も灰色の方もどちらも大変です。

オレンジの方は一人で着ることができません。

そして動きづらい、熱い、曇って前が見にくい、パートナーとのコミュニケーションが難しい、

さらに穴を開けてはいけないというハードな活動が要求されます。

もう一つ、閉所がダメな人が着るとパニックを起こします。

灰色の方もオレンジよりは動きやすいのですが、実際はマスクと顔が付いている部分を隙間からガスが入らないようにテープでぐるぐる巻きにして密閉します。

もちろんとても暑いです。トイレにも行けません。

脱ぐときは汚染物として扱われるので、体に接触しないように神経を使って脱ぐことになります。

真夏でこの訓練をしたら失神者が出てもおかしくはありません。

 

緊急消防援助隊

緊急消防援助隊とは簡単に言うと大規模な災害が発生し、被災地の消防だけでは対応できなくなったときに派遣される部隊です。

1995年に発生した阪神淡路大震災をきっかけに作られた制度です。

当時私は消防に入って1年目で、被災地に向かう先輩や上司を羨望の目で見ていましたが、

2011年3月に私自身が派遣されることになるとは思いませんでした。

東日本大震災の3日後に被災地に行き、行方不明者の捜索を行いました。

そこで目にした光景は言葉では表せないほどで、余計なことを考えないようにしながら活動しました。

緊急消防援助隊は県単位で動きます。

例えば○○県隊は被災地の△△地区に向かってくださいというような感じです。

あらかじめ宿営地も決められていて、そこに○○県隊の全部隊がテントを張り寝泊まりします。

活動に必要な設備、食料、燃料などは全て援助する側が用意します。

私は大規模災害とは縁がないものと思っていました。

しかし東日本大震災の被災地に派遣されて思ったことは、日本はいつどこで大地震が起こってもおかしくはないということです。

 

通信指令業務

もう一つ重要な役割を忘れてはいけません。

それは119番通報を受けて、その内容からそれぞれの部隊に出場指令を出す仕事です。

その部署のことを私が所属していた所は通信指令課と呼んでいました。

現在は指令課職員だけで指令業務を行っていますが、数年前まで指令業務は課として独立しておらず出動部隊の仕事の一つであったため、夜間は消防隊や救助隊の隊員が1時間ごとの交替で業務を行っていました。

私も119番通報を受けたことがあるのですが、この指令業務が私個人的に一番ドラマチックでした。

例えば救急車の要請が入電したとします。当然命の危険があるという通報も来るわけです。

そのような場合、ただ部隊を向かわせれば終わりではありません。

電話の向こうにいる通報者を落ち着かせ、短時間に必要な情報を聴き取り、必要があれば心肺蘇生法を伝え実行させます。

私も経験がありますが、通報内容からその場面を想像して的確に伝える行為は非常に難しいです。

それ以外にも病院への愚痴を言うために119番へかけてきた方もいました。

119番は緊急用なので、緊急でなければ別の電話にかけ直してもらうのですが、そのような時に心臓が止まっているという通報が来たりするのです。

決して緊急性が高い通報だけが来るというわけではないのです。

体力は使いませんが、指令業務は現場と同じなのです。

 

まとめ

消防隊の仕事内容は皆さんが思っていたより多いと思います。

たとえ救急救命士の資格を得て消防に入ったとしても、消防に入った以上その人は消防士で、

水を出す訓練やロープを渡る訓練も行います。

救急以外興味がないという人は、その部分を妥協する必要があるかもしれません。

 

それでは今回お伝えした消防隊の仕事内容は

・火災対応(消火作業)

・救急支援活動(救急隊の補助・安全管理)

・警戒出動

・予防業務

・はしご車の運用

・特殊災害対応

・緊急消防援助隊

・通信指令業務

となります。

細分化するとさらに増えます。

蛇が家に出てきたから何とかしてくれ。という内容の通報もあったことから、

「何かあれば消防へ」という考えの人は多いのではないでしょうか。

そして、そのような事案に迅速に対応するのが消防隊なのです。

あらためて確認すると、消防隊は凄いですね。

消防士を目指す人達の参考になることができれば幸いです。

次回は救助隊についてお伝えしたいと思います。

ありがとうございました。

 

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